先日、センターが主体となって『地域生活に関する唐津市民調査』をおこなった。その結果を、何回かに分けて発表しよう。とりあえず、自分の関心にしたがってやや探索的に分析を進めていく。
以下は、調査の概要。あらかじめいっておけば、回収率がかなり低く、精度はかなり低いといえよう。回収率の低さは、当センターの知名度の低さや年度を跨いだことが理由として挙げられるだろう。

【調査概要】

1.調査の目的

唐津市民のコミュニティに関する意識や地域社会への参加の実態を調べる。

2.調査内容

a 人間関係 b 地域参加 c コミュニティ意識 d 権威主義的意識 e 市民生活の満足度 f フェイスシート

3.調査主体

からつ大学交流連携センター

4.調査時期

3月28日〜4月11日

5.調査方法

郵送法

6.調査対象

対象:20歳〜80歳の唐津市
サンプリング:ランダム・サンプリング

7.調査配表数・有効回答率

配表数:2000票
回収数:有効424票、無効2票
回収率:21.2%

回収率を考えると、これから紹介する分析はあくまでも参考程度ものとして受け取っていただきたい。
さて、先ほどいったように、自分の関心にしたがってややランダムに結果を紹介してみよう。まず、市政についてである。

■ 市政について

調査項目のなかで、いわゆる「政治的有効感」について聞いた。質問文は、「住民の意見は市政に反映されている
」、これについて、「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」の4段階の尺度で聞いた。結果は以下の通り。

全体でみると、8割近くの人たちが否定的に答えている。特に40代の人たちは、9割近くが否定的な意見を持っているようである。本データと比較するデータが手元にないので、この結果を解釈する基準はいまのところない。これについては、参照データが手に入り次第論じてみることにする。
ちなみに、男女別でみてみると以下の通りである。

肯定的意見は、女性(30%)が男性(17%)よりも13ポイント高くなっている。検定をおこなってみると、5%水準で有意であった。つまり、女性に比べると男性の方が市政に対してより厳しい見方をしているといえる。

また、市政に関して、市民の行政に関する満足度を5段階(不満、やや不満、どちらでもない、やや満足、満足)の尺度で聞いている。行政に対する満足度の全体の平均点は、2.44であった。これについていえば、男女間に平均点の(有意)差はない。つまり、行政に対する満足度について男性と女性では違いはないということである。(参考:「満足度」に関する他の項目は、「経済」「自然」「保険医療サービス」「介護サービス」などである。それぞれの平均点は、2.20、3.56、2.95、2.93である。他の項目と比較していえば、やはり行政の満足度は低いといえるだろう。)
この行政の満足度について、旧唐津市とそれ以外の地区とに分けて、その平均点を比較してみた。結果は、旧唐津市は2.48、それ以外の地区は2.38であった。これは、5%水準で有意差があった。つまり、旧唐津市に比べてそれ以外の地区の人たちは、行政に対してより満足していないということである。その要因としては、やはり旧唐津市外に住む人たちが、合併後に期待していた利益を感じていないということが挙げられるだろう。
行政の満足度について、年齢や居住期間など他の要因との関係を調べてみたけれども、有意差はでなかった。
次回は、市民の「コミュニティ意識」と「行政に期待すること」を中心に報告するつもりである。

おっと、気づいたら脇山さんが日記を書いていた。
脇山さん、ごめんなさい。(もりやま)