タコつぼ

 昨日は、夕方から唐津市役所大会議室で、「まちづくり政策立案ワークショップ――脱!タコつぼ委員会」が開催されました。
 講師は、早稲田大学大学院の友成真一先生です。
 なかなか変わった名前のワークショップなんですが。まず、先生から、「タコつぼ」とその中に暮らす「素ダコ」の話がされました。「タコつぼ」とは、肩書やお金や学歴といった人の社会的属性であるとか、あるいは紋切り型の表現や理由づけ(「学問の社会貢献」なんかもそれに近くなってるかもしれません…)を含む概念で、要するに“それで何かが分かって気になるけれど、内実は曖昧”ってものを指すのかなと理解しました(私としては)。マジックワードみたいな意味合いでしょうか。一方「素ダコ」というのは、“マジックワードで覆い隠されている本質”のようなものを指すと理解しています(やはり私としては)。
 で、そういった概念の説明がされた後、ワークショップに入りました。ワークショップでは、5〜6名が1グループになり、「唐津の目的」で連想される言葉を付箋に書き出していきます。「唐津の目的」というのは、「唐津の将来像」であるとか、「まちづくりの方向性・目的」などです。
 その後、付箋を「タコつぼ」的なものと「素ダコ」的なものにグルーピングし、さらに「原因」と「結果」とにグルーピングしていきます。たとえば、「企業誘致」とかであれば「タコつぼ」で、「人のつながり」であれば「素ダコ」です。さらにたとえば、「企業誘致」は「タコつぼ」の「原因」で、「税収増」は「タコつぼ」の「結果」です。一方、「人のつながり」は「素ダコ」の「原因」で、「開かれた議論」は「素ダコ」の「結果」になる感じでしょうか。要するに2つの軸から4つの象限を作って分類していくわけです。下の図のような感じです。


 そうした作業を行っていくと、「素ダコ」の「原因」が1つに帰着していくことが明らかになります。先生曰く、それは上でも例に挙げた「人のつながり」なわけなんですが、人がつながっていき関係を築くことが、まちで行われる取り組み等のすべての出発点は「つながり」にある、と。で、唐津では「つながり」が確保されるような仕組みがなかなか存在しないのではないかという指摘も、先生から出されました。
 見知らぬ人と、ワークショップの形で議論するのは初めての経験なので(研究とかでは結構あるんですけど、随分雰囲気が違います)、楽しく、かついい経験でした。(桑畑)